aloneだけどlonelyではない。
人生最期はきっとalone(一人)だけど、lonely(孤独)な気持ちで亡くなりたくない。
私の死生観であり人生観です。
皆さんは亡くなる時、どんなふうにして亡くなりたいですか。
不謹慎という理由であまり公の話題にはならないけど、今日は私の死生観について述べたいと思います。
イギリス人の話
先日仕事仲間のイギリス人が、近所のお葬式にお手伝いに行った時のことを話してくれました。
亡くなったおばあちゃんの人柄がしのばれる、とてもアットホームなお葬式だったそうです。
そのときの喪主のお兄さんの挨拶がとても心に残ったそうです。
I knew she was living alone but I can tell she was not lonely.
(一人暮らしだったことは知っていたけど、彼女は決して独りぼっちではなかった)
なんて素敵なお別れの挨拶なのだろうと思いました。
そして私もそんな人生を生きたい、と強く思いました。
alone
私の大好きな英英辞書では、aloneの意味は次の通りです。
you are not with other people
高齢化社会で女性の方が長生きであることを考えると、私が死ぬときはきっと一人暮らしです。
はて、その時はどこに住んでいるだろう。
田舎?それとも海外かもしれませんね。
人生をゆっくり振り返り、あれもした、これもした。
あー、なんて楽しい人生だったんだろう。
目をつぶりそっと微笑みながら、こんなことを思っていたいな~。
その時は、悲壮な顔で泣いている親戚や友達に囲まれているより、できたら静かな環境がいいです。
だから最期、私は、alone(一人)がいいかな~。
lonely
一方、似てるけど微妙に意味が違うのは、lonelyです。
英英辞書では次のような意味になっています。
you are unhappy because you are alone and do not have anyone you can talk to
興味深いのは、alone(一人)の状態である点は同じことです。
でもlonelyは、さらにunhappyで、話したいと思っているのに誰も話す相手がいないことを指すようです。
例えば、有名な観光地に一人で旅行に行ってしまったときとか。
ちなみにこれは私ではなく、主人の実話です。
彼は若いときに何を間違ったか、札幌一人旅で、家族連れに交じって一人ジンギスカンをして帰ってきたそうです。
lonelyすぎます…。
あとは新学期のクラス替えで、誰も仲のいい友達がいないことがわかった時はどうでしょうか。
周りがみんな楽しそうにおしゃべりしているときは、きっとlonelyが身に沁みます。
alone but not lonely
亡くなる時は、happyでいたいから、lonelyだけは避けたいです。
でも何となく、これは自分で選べないような気がしています。
なぜならlonelyかどうかは、それまでの人生のすべてが死ぬ瞬間に、集大成となって現れる状態だと思うからです。
aloneは、一人でいる物理的な状態です。
それに対して、lonelyは、独りぼっちでいる精神的な状態ではないでしょうか。
つまり物理的だけでなく、精神的にも満足して亡くなるためには、きっとそれまでによい人生を生きる必要があるのでしょう。
alone but not lonely
alone(一人)だけど、lonely(孤独)ではない。
なるほど、これは私の死生観であり、人生観でもあるようです。
イギリス人の同僚は最後に私に言いました。
Be kind to others.
Then you will have a good life.